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映画「火花」と原作の違いは?原作未読でネタバレ感想書いてみたから比較してみて

更新日:

映画「火花」が公開されました。

「火花」と言えば芸人の又吉さんが原作を書いていることで注目を集めた作品ですよね。

 

ただ僕は原作を未読です。

なぜか?

単純にストーリー仕立ての文学書を読むことが嫌いだからです。

 

自分の想像描写が乏しいのもあるのかもしれませんけど、それだったら原作を映像化した映画を観た方がストーリーも飲み込めやすいし、そこに映像と音がプラスされることによって臨場感を得やすいというところがあります。

 

率直な感想は芸人という職種から見た、「光と影」「理想と現実」という対比にある言葉が見え隠れしていたような気がしますね。

 

単純に芸人さんが観れば共感で終わる作品かもしれませんが、結構深い内容だったと感じました。

 

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映画「火花」のネタバレ考察

(画像引用元:映画『火花』

簡単なあらすじ

お笑いコンビのスパークスの徳永(菅田将暉)は、熱海の地方営業で4歳上の芸人の神谷(桐谷健太)に出会う。

それはちょうど熱海での夏祭りの花火大会があった日だった。

 

そして神谷自身が自分で面白いと思うことを体現する芸風に魅了された徳永は神谷に弟子入りすることに。

 

2人は酒を飲み交わしながらお笑いについて語り合い関係性を深めていく。

 

あるとき、スパークスがテレビのネタ番組に主演するようになり、ちょっとした有名人に。

一方で神谷は自分で面白いと思うことしかやらない、「自分を貫き通す芸風」のためか、売れずにくすぶっている。

 

それでも先輩として神谷は無理をしてでも徳永と一緒のときはおごるということをやり続けた。

しかし、それが仇となってバイトもしていなかった神谷は借金まみれになり、そんな神谷と自分が一緒にいると無理をさせてしまうと感じた徳永は疎遠になってしまう。

 

スパークスの人気も一時的なもので徐々にテレビ出演も減退。

徳永の相方の山下(二丁拳銃:川谷修士)は同棲相手の妊娠を機に現実と向き合うために10年目にしてコンビを解散することを徳永に持ちかける。

 

そして芸人を辞めた徳永はサラリーマンとしての現実を歩みだした。

神谷は借金まみれになって行方がわからなくなっていたが、あるとき徳永の元へ神谷からメールが。

 

相も変わらず、自分を貫く神谷に徳永がとった行動は...

そして徳永が選択する答えとは?

 

※以下観ていないならネタバレを含むので注意してくださいね。

 

又吉さんの自伝とも捉えられる芸人の生き様

お笑い番組はめちゃくちゃ好きですし、そんな笑いを届けられる芸人さんたちは天才だと思っています。

 

ただ僕たちは普段の芸人の生活模様なんてこれっぽっちも理解していません。

テレビ越しに見える陽気な姿だけです。

 

実は泥臭くて人間らしい生活をしているんだということがこの映画を通して伝わってきました。

 

これはまさに芸人である又吉さんだからこそ書けるストーリーです。

そしてこの映画の監督・脚本を務めたのも芸人であるということ。

 

それが板尾創路さんです。

もはやベテラン芸人である板尾さんだからこそ映像化してもその世界観が崩れなかったんだろうなと予想できてしまいますね。

 

僕が又吉さんの自伝でもあるのでは?

と捉える意図としては、又吉さんがこういう人生になっていた可能性もあると言いたいのではないかと思ってしまうから。

 

特にお笑いに対しての向き合い方が対比にある徳永と神谷の間に実際に又吉さん自身が立たされていたのではないかなと感じてしまいました。

 

きっと今もそういう状況にいるのではないかな。

 

映画「火花」のキャストの演技はマジで良かったよ

(画像引用元:映画『火花』

 

それぞれの個性がしっかりと伝わっていたのは、やはりそれを演じたキャスト陣にあると思います。

特に存在感を感じたのは菅田将暉さん。

 

正直言うと今まであまり菅田将暉さんのことをカッコいいとか思ったことがなかったんですよね。

しかし全編を通して、演技というより人間臭さと流暢な関西弁が良い感じで合わさって、臨場感とリアルな人間としてのカッコよさを感じてしまいました。

 

コンビ解散のラストステージがあるのですが...

 

自分がその場にいたら絶対にこの雰囲気に飲まれてしまうというぐらいの鬼気迫るものでした。

 

もちろんそれを引き出しているキャストの中に安定の桐谷健太さんの存在もありました。

菅田将暉さんがテンポよく掛け合いができているのもきっと桐谷健太さんの演技に引き込まれているということもあるんだろうなと。

 

サブのキャストとして評価したいのは、本当の芸人である二丁拳銃の川谷修士さん。

漫才の場面があるのですが、やはり本当の芸人さんだと感じたのは声が良く通るし、そのテンポもめちゃくちゃ良い。

実はそれだけではなくて劇中の菅田将暉さんとの絡みが俳優さんかと思えるぐらい良かったです。

 

あれがはじめての演技だとすると、これからもっと作品に出てもいいような俳優になれる可能性があると思ったのは僕だけだろうか(笑)

 

紅一点の木村文乃さんは徳永と神谷にとっての癒しの存在なのかな。

場を和ませてくれる、でもそれでいてどこかミステリアスな感じをよくかもしだしていました。

 

映画「火花」のストーリー考察

(画像引用元:映画『火花』

 

徳永と神谷が出会うシーンでは、なぜそこで神谷にそこまで引き付けられたのかがわからなかったです。

破天荒っぷりな自分の笑いを貫く芸風に魅了されたというところですかね。

 

そんな出会いからの10年間のお笑い人生が描かれた内容なんですが、若い時はやはりがむしゃらな印象。

 

師匠と弟子として夢や理想を語ってはお酒を飲み、芸人としての決まり事なのか、どんなときでも弟子にはお金を出させない神谷。

 

でもそんな神谷は実は真樹(木村文乃)のヒモ状態。

付き合ってもいない真樹の家に居候して、さらには徳永と飲みに行くときにはお金をもらっていたいう事実も。

あらやす
徳永じゃなくてもちょっと軽蔑するよな

 

そう、この事実が分かったときから、ちょっとずつ徳永と神谷とのすれ違いが起こってきたのではないかと感じました。

 

しかし劇中に出てくるハーモニカ横丁の雰囲気は良かったですね。

実際に内装は汚くても美味しいお店はいっぱいありますし。

むしろ小奇麗なお店より、そういうお店で飲み食いしたいと思ってしまうのはなぜなんでしょう(笑)

 

そして真樹の存在。

紅一点の真樹は2人にとっての癒しになっているのはわかったのですが、なぜ付き合ってもいない神谷にあそこまでつくせるのかの理由はまったくわからなかったところです。

 

 

年数が経つにつれて、スパークスは面白いと思うことだけに追求するのではなく、売れるための芸風も取り入れなくてはいけないと気付くわけ。

 

それからというものスパークスは徐々にテレビにも出だすことに。

しかし一方であほんだらのコンビ名で独自のお笑いをやる神谷は評価されないんですよね。

あらやす
売れるためには捨てなきゃいけないものもある...難しい選択ですね。

 

世間的な評価は上下逆転しているにも関わらず、神谷はそれでも徳永におごり続けるわけですから、お金が徐々に回らなくなるのもわかります。

しかも自分でバイトもせずにヒモ状態でもあるわけですし。

夢や理想を追うための努力をしているのならまだしも、ただただ理想論を追っかけるのは子供でみっともないと感じてしまいますね。

何も成果をあげていないから説得力もないですしね。

 

そんな中、真樹に男ができて事実上アパートを追い出される神谷。

借金まみれになって、芸人どころではないと神谷の相方の大林(三浦誠己)に聞かされた徳永は距離を置くことを決断します。

 

距離を置いてしばらくして、徳永は神谷から飲みに誘われます。

会った神谷に呆然。

あれだけ自分を貫き通していたのに、銀髪になった自分を模倣している神谷の姿があったからなんですね。

それでいて徳永が出ている番組を一緒に見ている中で笑わない神谷にすごく矛盾を感じました。

 

 

その後結局徳永も売れていくという波には乗り切れず、テレビ主演も徐々に無くなり、相方の山下は彼女との子供ができたことによりコンビ解散することを提案。

 

芸人をやっていると本当にリアルにこういった場面に遭遇することがあるんだろうなと容易に想像することができました。

 

そして迎えるスパークスのラストステージは本当に良かった!

芸人さんのラストステージってみんなあんな感じなんですかね。

不本意ではあるけどという徳永の熱い気持ちが伝わってきて感動しましたよ。

 

終盤だけが納得できなかった

ラストステージで映画のオチとしても良かったのではないかと個人的に思ってしまうほど、菅田将暉さんの演技が良かっただけに終盤の奇抜な内容には驚かされました。

 

久しぶりに再会した現実に向き合った徳永とは対照的に、自己破産してもなお、お笑いの追及をしている神谷。

そしてそのお笑いの追及のために面白いという理由のためだけに豊胸手術をしたという大バカ者です。

それは違うだろと諭すあたりが今は現実と向き合っている徳永が正論ですよね。

 

この終盤の一幕があるだけでちょっとだらけた雰囲気を感じてしまったのは僕だけだろうか。

 

最後に2人出会った場所である熱海の花火大会に行くわけですけど、自分の道を歩む徳永と相も変わらない神谷という対極においても「生きている限り人生にバッドエンドはない」と半ば強引に結論付けたあたりも少しわだかまりは残りました。

 

テレビに出続ける光が当たる芸人がいる一方で、影としてのストーリーにも濃い人生があるということなんでしょうかね。

 

まとめ

「火花」というタイトルもすごく気になるところではあったのですが、総じて感じた「光と影」「理想と現実」というところと2人が出会った熱海の花火大会に掛けたところあるのかなと勝手に予測しました。

 

花火を並び替えると火花じゃないですか。

出会いは2人同じ理想や夢からはじまったけど、最後は現実に向き合う徳永とずっと夢を見る神谷との対極を演出するために最後の場面にまた花火大会を持ってきたのかなと。

対極っていうところから花火を逆転させて「火花」というタイトルにもなったのかなって。

考えすぎですかね(笑)

 

まあ単純に考えると、一瞬の輝ける人生っていう意味だとは思うのですけど。

 

芸人の人生ってところだけ見ても、普段自分が体験できない内容なので面白かったです。

そこに付け加えて、自分がやりたいことをやり続けるのがいかに難しいことなのか、そして世間に慣れ合う必要があるのかを考えさせられる内容でもありました。

 

まさに会社に属しているのか、フリーランスとして生きていくのか、というところにも当てはまる内容だっただけに僕が置かれている状況も非常に考えさせられる、良い映画でしたよ。

  • この記事を書いた人

あらやす

管理人のあらやすです。石川県在住の個人企業型フリーランス。クソまじめ、バツイチ、難病(多発性硬化症)、ミニマリストと肩書がやたら多いライターです。自己満足することでライフスタイルや出会いに幸せの価値を見出しています!

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